「第2回全国提案型施業事例発表会」の様子と結果

開催日時:平成21年2月25日(水)9:00~17:00
開始場所:国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟大ホール

提案型集約化施業の普及・実践を目的とする「施業集約化・供給情報集積事業」の一環として実施している森林施業プランナー育成研修も、2巡目が終了しました。今年度は、新たに全国約150の林業事業体が研修を終了して、その成果を基とした提案型施業に取り組み始めた状況です。本事例発表会では、昨年につづいてブロック単位での特徴的な取り組み事例を取り上げるとともに、都道府県森林組合連合会や行政の協力や連携事業を紹介。
更には今年度より始まったステップアップ研修の参加組合から、より実践的な事例を報告してもらい、提案型集約化施業の推進に向けた様々な課題に対する解決方法について討議、検証いたしました。

◎スケジュールと概要

●挨拶
主催者を代表して、全国森林組合連合会代表理事会長の國井常夫(写真・左)と、来賓の林野庁長官内藤邦男氏(写真・右)よりご挨拶を頂き、提案型集約化事業と施業プランナーの発展への期待を述べられました。

●森林施業プランナー育成研修の目的と2年目の取り組み説明
森林施業プランナー育成研修の目的と見えてきた課題、2年目の参加状況や取り組み内容について、全国森林組合連合会林政・組織部の本多孝法より説明がありました。

◎今年度の基礎研修・地域実践研修参加組合による取り組み事例発表

●冒頭説明
事例発表にあたり、研修の講師でもある三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)の相川高信氏より事例発表組合の選考方法や発表の聞きどころ、ポイントについて解説いただきました。

1)愛知県岡崎森林組合
林産事業の経験が少ない中で、山主へ「赤字にはしません」や「やる気」をアピールしながら直接営業回り。2 年間で5団地を集約化したなどをポイントに発表

2)愛媛県久万広域森林組合
町職員と森林組合職員による「久万林業活性化センター」を設立。町と連携したことで、①森林所有者情報が充実、②所有者からの信用度が向上し、集約化が促進。H17~19 年度で約310haを間伐したことなどをポイントに発表

3)熊本県菊池森林組合
地元林研グループとの連携により、①組合職員の業務負担の軽減、②所有者からの信頼度が向上し、意向調査、施業提案書の提示がスムーズに。団地設定から提案まで延べ人役にして約7割を林研グループが実施したことなどをポイントに発表

4)群馬県森林組合連合会
県本庁、県出先機関、県森連担当からなる専属チームにより、①団地設定や森林現況調査への応援、②施業プランの単価設定等への助言、③路網計画や作業システムについての助言などを行い、森林組合をサポートしたことなどをポイントに発表

5)岐阜県林政部
県単独事業「森プロ」により、500ha程度のモデル団地を設定した事業体について、①高性能林業機械導入への支援、②間伐材搬出への支援、③林業経営に必要な知識、技術を獲得するための研修への支援などを実施したことなどをポイントに発表

◎パネルディスカッション

森林施業プランナー育成研修の講師でもある三菱UFJ リサーチ&コンサルティングの相川氏をコーディネーターに向かえ、先ほど事例発表を行った岡崎森林組合、久万広域森林組合、菊池森林組合、群馬県森連、岐阜県の5 人の発表者によるパネルディスカッションを実施、提案型集約化施業に取り組むポイントなどについて探りました。

ポスターセッション

午前の部で発表した3つの森林組合を含め、全国の各ブロックを代表する12の森林組合が作成した提案型集約化施業取り組み報告ポスターを基に、参加者との意見交換や情報交換を行うポスターセッションが行われました。

◎ポスターセッション表彰

これまでの、提案型集約化施業への取り組みをまとめたポスターとポスターセッションの内容を加味して、3つの組合に以下の賞が贈られました。

1)デザイン賞:苫小牧広域森林組合
―ポスターのつくり方、取り組みの分かりやすさ、演出、表現方法が非常に工夫され、デザイン性に富んだ作品を作成した組合に贈られる。

2)インパクト賞:南三陸森林組合
―ポスターセッションに熱心に取り組まれ、様々な方と積極的に議論し、多くの方に強い印象を与え、すばらしいプレゼンテーションを行った組合に贈られる。

3)全国部会賞:須崎地区森林組合
―研修の成果が良く伝わり、また今後の課題を明確化し、それに対ししっかりと取り組んで行こうとしていることが伝わるプレゼンテーションを実施していた組合に贈られる。

ポスターセッションと一部並行して、提案型集約化施業を解説したDVD(改訂版)の上映会を行いました。

話題提供 提案型集約化施業実践への道筋
~経営・組織体制の課題~

今年度から始まったステップアップ研修の内容を基に、研修の講師でもある(株)フォレスト・ミッション代表取締役の坪野克彦氏より、成果をあげるための組合の経営面、組織面の具体的取り組みなどについてお話いただきました。

◎ステップアップ研修参加組合による取り組み事例発表

今年度から始まったステップアップ研修に参加された森林組合を代表して、現在の取り組み状況や取り組みの成果、また新たに見えてきた課題、そして今後の展開などについて広島県の三次地方森林組合と石川県の羽咋森林組合より事例発表がありました。

1)広島県三次地方森林組合
境界確定への要望が多い組合員さんにはGPSやGISを活用し、すべての組合員さんにプラン書を作成。高性能林業機械を使用して収入間伐を推進したことなどをポイントに発表

2)石川県羽咋森林組合
団地の集約は大規模・小規模所有者を含め集落の一定の区域を対象に 進め、施業は直営と請負を併立させるのがベストであるなどをポイントに発表

全体統括
全国部会の委員でもあり、また研修の講師としてもご指導いただいております社団法人 日本森林技術協会技術指導役の藤森隆郎氏より、今年度の事例発表会並びに研修を振り返りご意見をいただきました。

今後に向けて
最後に主催者の全国森林組合連合会の肱黒直次より、苦境が続く林業を皆で一緒に再生させていこうという思いを込めて、“今後に向けて”メッセージを送りました。